歯医者の治療を途中でやめるとどうなる?治療別のリスクと再開の流れ

「痛みがなくなったから、もう行かなくてもいいかな」「仕事が忙しくて、予約をキャンセルしたままになっている」——歯科の治療は通院の回数が多くなりやすく、途中で足が遠のいてしまう方は少なくありません。

ただ、痛みがなくなっても、治療が終わったとは限りません。治療中の歯は仮の状態であることが多く、そのままにすると悪化することがあります。一方で、間があいてしまっても治療は再開できます。

この記事では、治療を途中でやめるとどうなるのかを治療別にご紹介し、再開するときの流れもお伝えします。

治療を途中でやめてしまう主な理由

スマートフォンの予定を見ながら歯科の予約に悩む会社員のイラスト

治療が続かなくなる理由は、人それぞれです。

  • 痛みがなくなったので、治ったと思った
  • 仕事や家事、育児が忙しくて時間が取れない
  • 費用が心配になった
  • 治療が怖い、苦手
  • 間があいてしまい、怒られそうで行きづらい

どれも、多くの方が感じていることです。まずは、途中でやめた場合に歯がどうなるのかを見ていきましょう。

【治療別】途中でやめるとどうなる?

虫歯の治療

仮の詰め物の下で虫歯が神経に向かって進んでいる歯の断面図
仮の詰め物のすき間から虫歯が進み、神経に近づいていくことがあります

治療の途中で入れる仮の詰め物は、次の来院までの一時的なものです。時間がたつとすり減ったり外れたりして、すき間から細菌が入り、虫歯が進むことがあります。神経の近くまで進むと、神経の治療が必要になる場合もあります。(参考:虫歯治療について)

根の治療(神経の治療)

根の治療中の歯の断面図。仮のふたのひびと根の先の病変
仮のふたが傷むと細菌が入り、根の先に病変ができることがあります

根の治療は、歯の内部を清掃・消毒し、最後に薬を詰めて密閉するところまでが一区切りです。途中の歯は仮のふたをしただけの状態なので、ふたが傷むと細菌が入り込み、根の先に膿がたまって腫れや痛みが出ることがあります。治療中の歯はもろくなっていることも多く、割れてしまうと抜歯が必要になる場合もあります。

型取り・仮歯のあと

隣の歯が傾いて被せ物が入らなくなった様子のイラスト
まわりの歯が動くと、作った被せ物が入らなくなることがあります

被せ物は、型取りをしたときの歯の形や位置に合わせて作ります。そのあと間があくと、まわりの歯が少しずつ動き、完成した被せ物が合わなくなって作り直しになることがあります。仮歯は長く使うためのものではないため、外れたり欠けたりしやすく、削った歯が虫歯になることもあります。

歯周病の治療

健康な状態と歯周病で骨が減った状態を比べた断面図
左が健康な状態、右が歯周病で骨が減った状態です

歯周病は、痛みなどの自覚症状が出にくいまま進む病気です。歯石を取って腫れが引くと治ったように感じますが、歯ぐきの深い部分に細菌が残っていることがあります。途中でやめると再び進行し、歯を支える骨が減って、歯がぐらつくことがあります。(参考:歯周病治療について)

抜歯のあと

歯を抜いたあとに隣の歯が傾き上の歯が下がってきた様子のイラスト
抜いたところをそのままにすると、隣の歯が傾き、上の歯が下がってくることがあります

歯を抜いたところをそのままにすると、隣の歯が空いたすき間に傾いたり、噛み合っていた歯が伸びてきたりすることがあります。噛み合わせが乱れるとほかの歯に負担がかかり、あとから入れ歯やインプラントなどを入れるときに、治療が難しくなる場合もあります。

「痛くないから大丈夫」とは限りません

見た目はきれいでも根の先に病変がある歯の断面図
見た目がきれいで痛みがなくても、根の先で問題が起きていることがあります

歯の痛みが消えても、治ったとは限りません。たとえば、虫歯が進んで神経が働かなくなると、痛みを感じなくなることがあります。神経を取った歯も痛みを感じにくいため、内部で悪くなっていても気づきにくいのです。

痛みはあくまで目安のひとつです。症状が落ち着いているうちに治療を終えておくことが、歯を守ることにつながります。

中断すると、負担が増えることも

治療を中断しているあいだに状態が変わると、次のような負担が増えることがあります。

  • 通院回数や治療期間が増える
    前回の治療をやり直す必要が出ることがあります。
  • 費用が増える
    追加の治療や、被せ物の作り直しが必要になることがあります。
  • 残せたかもしれない歯を失う
    悪化の程度によっては、抜歯を検討することもあります。

だからこそ、気になったときが再開のタイミングです。

途中でやめてしまった方へ:再開の流れ

受付スタッフが再来院した患者さんを笑顔で迎えるイラスト

当院では、途中で治療をやめた方を叱ることはありません。「何か月もあいてしまった」「前回いつ来たのか覚えていない」という方も、どうぞ安心してご連絡ください。

  1. ご連絡
    お電話やインターネット予約で「以前の治療の続きをお願いしたい」とお伝えください。
  2. お口の状態の確認
    間があいた場合は、あらためて検査を行うことがあります。
  3. 今後の治療のご相談
    現在の状態をご説明し、通院のペースやご希望をうかがいながら計画を立てます。

再開までのあいだに困ったときは

  • 仮の詰め物や仮歯が取れた
    市販の接着剤などで戻そうとせず、取れたものを保管してご連絡ください。その歯ではなるべく噛まないようにしましょう。
  • 腫れや痛みが出た
    強く押したりマッサージしたりせず、早めにご連絡ください。市販の痛み止めを使うときは、説明書の用法・用量を守りましょう。
  • 顔が大きく腫れた、高い熱がある、飲み込みにくい
    急いで医療機関を受診してください。

通い続けるのが難しいときは、ご相談ください

歯科医師がタブレットを使って患者さんに説明するイラスト

「忙しくて通えない」「費用が心配」「治療が怖い」といったお気持ちは、遠慮なくお聞かせください。通院のペースや治療の進め方、治療法の選択肢などを一緒に考えていきます。

また、治療が終わったあとの定期的なメンテナンスも大切です。当院は予防歯科に力を入れており、治療後のお口の健康も一緒に守っていきます。

まとめ

  • 治療中の歯は仮の状態のことが多く、そのままにすると悪化することがあります
  • 痛みがなくなっても、治ったとは限りません
  • 間があいても治療は再開できます

「今さら行きづらい」と感じている方こそ、まずは一度ご連絡ください。

お電話:03-3948-7856
24時間インターネット予約はこちら


この記事を書いた人

やまもと歯科医院 歯科医師 山本一光

やまもと歯科医院 歯科医師 山本 一光(やまもと かずあき)

鶴見大学歯学部卒業。横浜市立大学 医学部 顎顔面口腔機能制御学講座、横浜市立大学 藤沢市民病院(歯科口腔外科・麻酔科研修)を経て現職。

日本口腔外科学会 会員/日本歯科先端技術研究 会員/日本口腔インプラント学会 会員/日本歯周病学会 会員

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